味わう #かがみの孤城 |「オレ達、もしかして助け合えるんじゃねーのかな」（ネタバレあり）

はじめに

TDKK（とっても大好き、かがみの孤城）🤗 nikkieです。

公開以来繰り返し劇場に通い¹、先日原作小説も読破²した『かがみの孤城』。
映画だけでなく原作も読んだことで私の中では非常に深みが増していまして、語りたいところをネタバレありで語っていきたいと思います。

まっさらな状態で作品（映画・小説）を楽しみたい方は、ここで引き返すのを強くオススメします。

はじめに
目次
かがみの孤城
「オレ達、もしかして助け合えるんじゃねーのかな」
脱線：このオマージュが大好きです！
「助け合えるんじゃねーのかな」のシーン
助け合える！！
助け合える？
推理
ここもよいので原作小説をぜひ！
終わりに

かがみの孤城

（まず映画のネタバレありで語っていきます）

「オレ達、もしかして助け合えるんじゃねーのかな」

マサムネくんのセリフです。

-ˏˋ🪞𝐂𝐡𝐚𝐫𝐚𝐜𝐭𝐞𝐫 🏰 ´ˎ-

マサムネ｜CV #高山みなみ
────────────
🏫中学2年

〖みんなで
　話し合おうって思ってさ〗

皮肉屋でゲーム好き🎮#かがみの孤城
12.23(𝐟𝐫𝐢)🎞 pic.twitter.com/3cW8b2zB9b
— 映画『かがみの孤城』公式 (@kagami_eiga) 2022年12月16日

閉城の日フィナーレイベントのベストシーン募集企画で、第3位に選ばれています。

また原監督は「このセリフをマサムネくんが言うところに皆さん共感したと思うんです。マサムネくんのキャラクターに深みが加わったんじゃないかなと思います。」とキャラクターに対する想いを話しました。

皮肉屋な彼が「助け合えるんじゃないか」って言うの、本当にいいですよね😭

(追記 2023/06/05) 本予告 1:14から聞けちゃいます！

(追記終わり)

脱線：このオマージュが大好きです！

お前ら、三学期の1日だけでいいから#かがみの孤城観に行かないか？
俺たち感想言い合えるんじゃないかな
— 村崎鷲鷹❄ (@OwlEagleHawk) 2022年12月28日

オレ達、もしかして助け合えるんじゃねーのかな
👉感想言い合えるんじゃねーのかな

素晴らしい！👏👏

（ここからは原作小説のネタバレもあります）

「助け合えるんじゃねーのかな」のシーン

「お前たち、3学期に1日でいいから学校に来てくれないか？」³
「オレ達、もしかして助け合えるんじゃねーのかな」
という流れで発されたセリフです。

原作を読んで気づいたのですが、マサムネくんがこのセリフを言うのはクリスマス会⁴の日なんですね。
映画では、こころちゃんたちの服に注目すると、クリスマス会の服だと思います。

暖炉のある広間⁵でクリスマス会をして、その後マサムネくんが「相談があるんだけど」と切り出す。
映画では相談する場所が城の塔のてっぺんになっていますね。

助け合える！！

映画を観てから原作を読んだとき、マサムネくんのこのセリフが、こころちゃんたちにとって大きな希望となったことを痛感しました！

その言葉に、胸を撃ちぬかれた。(上 Kindle版 p.309)

（※原作はこころちゃん視点なのです）

3学期にこころちゃんが登校するときのモノローグもよいのです。
フィナーレイベントレポートから當真さんです

その後、こころの『学校に来たんじゃない、友達に会いに来た』というセリフはやっぱりマサムネくんの言葉があったから、こころも一歩踏み出せたんじゃないかなと思います

助け合える？

3学期にみんなで登校、これは結果も含めて、作品のミッドポイントではないかと思っています。
ミッドポイントは『すずめの戸締まり』の新海監督ティーチインで知った言葉で、映画の真ん中の出来事のこと。
映画を3幕構成としたときに2幕目の真ん中にミッドポイントがあり、ミッドポイント前後で話の流れが変わるそうです⁶。
（脱線ですが、これまた大好きな作品『アイの歌声を聴かせて』⁷でミッドポイントを考えると、めっちゃきれいな作りだな〜と発見しますね）

かがみの孤城の（私的）ミッドポイント、助け合えるという希望をもとに登校ですが、この結果は小説で紙幅を割いて伝えられます。
私には映像よりも遥かに絶望感が伝わってきました😭😭

結果を受けてのこころちゃんのモノローグです。

奇跡は起きない。
会えないんだ、とそう思った。
絶望的に思い知る。(下 Kindle版 p.24)

「会えないんだ」は傍点付きで強調されているんです！

「助け合えるんじゃねーのかな」（希望）からのひっくり返し！！😱

推理

その後、みんなは鏡の城で再会し、会えなかったことに対して推理します。
マサムネくんが持ち出したのが、パラレルワールド説。
その説明の中で、「助け合えるんじゃねーのかな」という希望はことごとく打ち砕かれます（打ち砕いて納得しようとしているのかも）。
城の外で会えない、だから、助け合えない。

「オレたちは、助け合えない」(下 Kindle版 p.66)

パラレルワールド説自体はオオカミさまには否定されます。

会えないとも、助け合えないとも私は言っていない。(下 Kindle版 p.77)

ですが、こころちゃんたち7人の中では「助け合えなかった」ことは重い事実として認識されるのです

自分たちがパラレルワールドの住人同士であることを一度吞み込んでしまうと、残念は残念だけど、みんなとの時間は、それはそれで過ごしやすくなった。
みんな、諦めたからだ。(下 Kindle版 p.87)

クライマックスまで知ると、オオカミさまの言葉の真意も分かるのです。
小説を読んだり、映画を観たりした方は「助け合える」→「助け合えない」がクライマックスにつながることに頷いていただけるんじゃないかな〜と思います（ほんと、すごいですよね！）

ここもよいので原作小説をぜひ！

登校イベントまわりの小さい点では、以下もとてもよかったです😭
これを言うのは野暮だと思うので、ぜひ小説（下巻）でご確認ください

アキちゃん😭
2月に戻ってきたマサムネくんのセリフ😭😭😭

終わりに

ベストシーン第3位の「オレ達、もしかして助け合えるんじゃねーのかな」について、原作小説で増した深みを語ってきました。
「助け合えるんじゃねーのかな」（希望）からの「助け合えない」（絶望）...！
希望から一転して絶望というのを知った上で映画を観ると、取り上げたシーンの印象もまた変わってくるのではないかと思うのです。

映画は、原作小説の芳醇な情報量を2時間に収め、何回も観たくなる素晴らしい作品になっていると思います。
一方、メディアによる得意・不得意（特性の違い）はあると思っていて、「助け合えるんじゃねーのかな」にまつわる希望と絶望は、原作小説を読んでひしひしと感じました。
特に絶望感が、ページをめくる手を通して伝わってきます😭

映画『かがみの孤城』は原作小説で補完されると考えていまして、それができるのは私には非常に楽しいです。
映画がよかったという方には、原作小説がとってもオススメです！（大きな感動に本当に包まれるから、みんな読んで！）

ほかにもまだまだ語れることが浮かんでいますが、それはまたの機会といたしましょう。