nikkie-ftnextの日記

イベントレポートや読書メモを発信

なにか1つをやり遂げるということは、残り全部を捨てるということ

この記事は Uzabase Advent Calendar 2023 22日目です。
昨日(21日目)はタイソンさんによる「名前付きコンストラクタを使おう」でした。
「オブジェクトの生成手段を複数提供できる」「ドメイン固有の言葉でオブジェクトを作れる」、これは賢いな〜。学びです!

はじめに

わたくし、765プロライブシアターで仕掛け人をしております、nikkie(にっきー)と申します。
僭越ながら副業でユーザベースでデータサイエンティストをしています。
Pythonとアニメが好きです。ミリアニはいいぞ!
よろしくお願いいたします!

毎日1エントリを執筆し始め、先日1周年を迎えました(狂気の400日突破!)

この記事は技術エントリではなく思考整理目的のポエムです。
技術エントリが読みたい方は5日目をどうぞ!

記述記事は例えば、Python coreNLP(自然言語処理)カテゴリにあります。

目次

断念した弊社クリパ

にっきーなので、2が並ぶアドベントカレンダー22日目にエントリー!
偶然にもこの日はユーザベースでクリパ(オフライン限定LT大会)が行われる日でした。

1日1エントリを1年継続すると、どんなトピックでも記事にできるように思えてきます。
「このクリパの参加レポートなんてアドカレ22日目によさそうだよね」と思い付くわけです。

ところが現実は非情であり、やむなくクリパの参加を断念しました。
その意思決定、私の考え方の特性について1日1エントリで取り上げてみようと思ったのです(ただでは転びませぬ)

1つをやり遂げるということ

私にとって、これは残り全てはやらないという意思決定と同義です。

1日1エントリという習慣の副作用として、キャパオーバーは頻繁に起こります。
仕事・プライベート・1日1エントリを全部達成できるようにうまく立ち回れる日もありますが、それはごくまれです。
これらのバランスがうまく取れずに溢れてしまうことのほうが多いです。
そんなときに私は、選択したものだけをやり遂げて、ほか全てはやむなく諦めます。

例えば2023年春はPyCon USで自作ライブラリをポスター発表できる機会をいただきました。

ですが、残念ながら仕事・プライベート・1日1エントリのバランスが思うように取れなくて、2023年のポスター発表の機会は見送っています1

数少ないものをやり遂げるために、残り全ては諦める
今年の上期にやむを得ず、このスタンスの意思決定が繰り返されたとき、『ラブライブ!スーパースター!!』のかのんちゃんを思い出しながら涙したりもしました

がっかりするんだよ

何より自分にがっかりする!

アニメからの影響

1つをやり遂げるために残り全てはやらないという考え方は、2作品(もっというと2キャラクター)から影響を受けています。
両者とも狂気を秘めていますね。

※以下は両作品のネタバレを含みます。

『映画大好きポンポさん』

未見の方向け:年始にNHKで放映されるようですね

ポンポさんは商業映画作りを描いた作品です。
色々なメッセージが詰まっていると思いますが、今回取り上げるのは監督ジーンが編集するシーン。

何かを残すということは、それ以外を犠牲にすることなんだって

生きることは選択の連続だ。
1つを選択したら、それ以外は切らなくちゃいけない

このモノローグのあとに、自分を鼓舞するように「だから...」「切れ」「切れ」「切れ」と続きます

ただ1つ残ったものを手放さないために、諦めないために、切れ!!

花譜さんの「例えば」が挿入され、めちゃくちゃ疾走感がある、見ていて気持ちいいシーンです(これがきっとカタルシス

ポンポさんを監督した平尾監督のインタビューより

ジーンくんも過去にはいろんな未来の選択肢があったけど、やっぱり自分にできないことや社会にうまく馴染めなかったりして、削ってきたと思うんですよ。でも、ただひとつ残った“映画を撮る”ことを選んだ覚悟があって。編集シーンのクライマックスでは、切っていった上でたったひとつ残ったものを諦めないために頑張るんです。

やっぱり何もしなかったら夢は叶わない、叶えるためにはどこかで覚悟を持って何かを捨てなきゃいけない時もある

ジーンくんは社会にはじかれる前に、自分なりになじもうと努力はしたんだろうなと。でも自分の中であれはだめ、これもだめと消していって探したら、残ったのが映画だったという選択の歴史があったんだろうなと思ったんです。そして、選んできた今を肯定する映画にしたかった。

弱虫ペダル』御堂筋くん

競技自転車のインターハイを描く『弱虫ペダル』。
そこにヒールとして出てくるキャラが御堂筋くん

https://yowapeda.com/chara/#

勝利のみを追求し、勝つためなら時に手段も選ばない。

その本質は、異常なまでの「勝利」に対する拘り。
周囲からの評価を下げても味方を駒扱いして切り捨てても相手を欺いても、自身が前へ出て勝利する事に固執し、レース中に身体が悲鳴を上げても漕ぐ事を止めなかった。

アニメ5期分履修しているのですが、御堂筋くんは自転車レースでの勝利のためにほか全てを捨てています
2期の3話がすごかった。
https://yowapeda.com/series/2nd/story/
ゴール直前のスプリントで足が動かなくなるんですが、御堂筋くんはその日の勝利のために自分の足すらも捨てると即決するんですよ。
翌日のレースとか考えず、目の前の勝利へのここまでの執着は、やばい

ちなみに彼がなぜここまで勝利に執着するかは、2期3話を見てください。

将棋の羽生さんにとっての豊かな人生

ユーザベースのサービスの1つ NewsPicksの番組に、将棋棋士の羽生さんが出た回がありました。

羽生さんにとって豊かな人生とは?

後悔が沢山ある事

この答えは落合さんにも示唆を与えているのですが、私も結構救われています。

後悔が沢山ある=選ばなかった選択肢がたくさんある(あのときこうしていれば)。
その状態、つまり選択肢が豊富にある状態の時点で豊かということ。

仕事・プライベート・1日1エントリのバランスが取れない、これはその状況自体が豊かだと捉えています。
豊富にある選択肢の中で成し遂げたいたった1つがあってそれ以外は諦める。

私には諦めたことへの後悔はないのですが、豊かという見方が非常に示唆的でした。

終わりに

なにか1つをやり遂げるために、残り全部を捨てるという今の私がよくやる意思決定について綴りました。
思うに1日1エントリという狂気の習慣の中で、仕事・プライベート・1日1エントリのキャパオーバーを繰り返し経験して対処する中で、いまの暫定解がこれなんだと思います。
1日1エントリも狂気だと思いますけど、たった1つを選んでほか全ては捨てるというのも狂気だなと思っています。
継続の狂気が執着の狂気を呼び寄せた!

なお、人生の正常系では「なにか1つをやり遂げるために、残り全部を捨てる」だと回らない場合しかないと思っています2
これらの狂気を内在させている自分のことを社会生活不適応者だといま思っていますし、この旅路がどこへいくかは人生をドライブして見届けなきゃですね


  1. 1日1エントリを継続しながら、旅行準備をするのが当時の私には困難でした。PyCon USの関係者の皆さま、大変申し訳ありませんでした。
  2. パートナーや育児のような"人"要素って最優先だと感じます