はじめに
おめでとうございます! nikkieです。
今日はアニメネタです。
これは2024年で一番のAhaだったかもしれません(なにせ10年かかったので)
目次
- はじめに
- 目次
- SHIROBAKO
- 7話 ネコでリテイク
- だがちょっと待ってくれよ、杉江さんよぉ
- ブレイクスルー:量が質に転化する
- 8話 責めてるんじゃないからね
- 終わりに
- P.S. テスト駆動開発じゃね?
- P.S. 12/27(金) エンジニアニメ
SHIROBAKO
P.A.WORKS制作のオリジナルアニメ作品。
2014年TV放送のお仕事シリーズ第2作です
高校時代にアニメーション同好会でアニメを作った女の子5人。
この5人でアニメ業界で同作品を作るべく、夢を追って業界に飛び込みます。
SHIROBAKOはエンジニア界隈でも広く受け入れられていると映ります。
SHIROBAKOといえば(私の中では)こにふぁーさん(id:konifar)ですし、アドベントカレンダーもこの時期賑わっていました
さてこの記事で扱うのは、原画の安原絵麻さん(通称 絵麻たそ〜)です。
以下はネタバレ全開なので、未見の方は放送10周年記念の今だけ期間限定公開(YouTube)を見てからどうぞ!
7話 ネコでリテイク
絵麻は悩んでいた。巧くなろうと丁寧に描くと、量が描けない。だが早く描こうとすると巧く描けないというジレンマに──。
絵麻たその悩みに対して、隣の席の先輩アニメータ(杉江さん)がアドバイスします(11:12〜)
その中で私がずっと引っかかっていたのがこちら。
絵麻たそ「巧くなれば速く描けるようになるんじゃないんですか?」に対して、杉江さんの回答
速く描くには巧くなる
巧く描くにはいっぱい描く
いっぱい描くには速く描く
技術(巧さ)とスピード(速さ)は別の問題として語るのです。
だがちょっと待ってくれよ、杉江さんよぉ
これ矛盾してるように思えてならなかったんですよね。
- 速くなりたいがどうすれば? -> 巧くなりなさい
- では巧くなるには? -> いっぱい描きなさい
- いっぱい描くには? -> 速くなりなさい
私の頭の中では堂々巡りしてしまいました。
鶏が先か、卵が先か...
速く描くためには速く描くってどういうことだよおおおおお1!!禅問答!?
(絵麻たそはこんなに治安悪くないと思いますが、内心こんな感じだったのかな)
ブレイクスルー:量が質に転化する
この引っかかりを解消しようとなにかしたわけではないのですが、転機は突然やってきました。
10月に参加したYAPC::Hakodate。
憧れのハッカーmoznionさんのキーノートを聞いていると
(※念のためですが、SHIROBAKOの事を考えながら聞いていたわけではありません)
- とにかく作りまくることで一定解決ができる
- そして量が質に転化するタイミングはやがて来る
これだ!2
- とにかく作りまくる3=手の速さ
- 量が質に転化 -> 巧くなる
堂々巡りのように思える箇所にだけ注目してしまっていましたが、杉江さんは最初に「若い時でないと手の速さは身につけられない」と語っているんですよね。
今の理解としては
- まず手の速さを身につけよう
- 手が速くなったら巧さを追おう
です。
この方が巧くなりやすいってことなのかな〜と思っています。
8話 責めてるんじゃないからね
「手が速くなったら巧さを追おう」という点は、続く8話でも描かれているように思われます。
一方その当人である絵麻はスタジオで、イライラの只中にいた。リアルな猫を描くことができない、そんな彼女を見かねて総作画監督補佐の井口が声を掛ける。
散歩に出かけた2人(絵麻たそと井口さん)(16:48〜)
絵麻「それはやっぱり井口さんがうまかったから」
井口「巧かったとすれば真似が巧かったんだよ」
この会話を通して、絵麻たそは「真似していい」ことに気づきます
学ぶっていうのは真似ぶって言うじゃん?
みんな最初は誰かの真似
改めて見ると、「技術とスピードは別の問題」がここで語られているように思うのです。
身につけるには
- 技術(巧さ)は真似して
- スピードは速く描いて
そして、巧く描くには、速く描けると真似していっぱい描いて近づける!というわけです
終わりに
SHIROBAKO 杉江さんのセリフ「速く描くには巧くなる 巧く描くにはいっぱい描く いっぱい描くには速く描く」、ずっと「堂々巡りしてるじゃん」と意味が取れていなかったのですが、YAPC::Hakodateのキーノート(※技術トーク)がまさかの補助線となって腹落ちしました。
- 量が質に転化する
- 量を身につけられる期間は制限がある(若いうち)
- 量を質に転化させる1つは、真似(学ぶは真似ぶ)
なお、今回の記事は、以下の記事をSHIROBAKOの内容に踏み込んで語った形になっています
P.S. テスト駆動開発じゃね?
「技術とスピードは別の問題」、まさかのアナロジー!
目指すのは、動作するきれいなコードだ(略)。
動作するきれいなコードは、偉大なプログラマでもすぐには書けないことがあるし、普通のプログラマならなおさらだ(私もそうだ)。
ここは分割統治しよう。最初に「動作する」に取り組み、その後で「きれいな」に取り組む。(Kindle版 pp.38-39 第2章)
- 手が速くなってから巧くなる
- 動作するコードを書いてからきれいにする
「動作するときれいは実は全く別の問題でね」
P.S. 12/27(金) エンジニアニメ
ビットキーさんのオフィスで開催です!
私はこの記事をベースにLTします。
2024年で印象的な学び:SHIROBAKOのあのセリフ
- Twitterに染まりきってるので我が脳内はこんな感じ ↩
-
なお当日はここにまさかのtypoがあり、会場は大爆笑でした
↩渾身のTypo#yapcjapan pic.twitter.com/WpET3DLZQT
— 190ODA(いくお) (@dora_e_m) 2024年10月5日 - 大量に作るというスライドもありました ↩