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ベロシティに関する覚書:実績を意味することも見積りを意味することもあるってこと?

(MLOps勉強会での発表をご清聴いただきありがとうございました。今回も簡略版で1日1エントリをつなぎます)

目次

前提

以下の語は知っているものとして、説明を省略しています。

ベロシティの定義

アジャイルな見積りと計画づくり』

ベロシティの値は、チームが 1 回のイテレーションで完了させたユーザーストーリーのストーリーポイントの合計値 (p.63 4章)

『Clean Agile

プログラマーが完成できると考えるストーリーポイントの合計 (Kindle の位置No.1431 第3章)

『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』

ベロシティとはそのイテレーションで完了できるストーリーポイントの数だ。(p.277 8.8)

IMO:過去についてのベロシティと、未来についてのベロシティ

「ベロシティ」という言葉だが、過去について使うときは 実績 ・(現在〜)未来について使うときは 推測 ということなのだろうか。

  • 過去のイテレーションを振り返ったとき、ベロシティは実績
    • 完了したストーリーのポイントの合計(確固たる値)
  • 現在〜未来のイテレーションについて
    • 完了すると考えるストーリーポイントの合計の見積もり(推測値。外れうる)

実績としてのベロシティ(過去についてのベロシティ)

  • 規模をベロシティで割って、必要なイテレーション回数(の見積り)の導出(『アジャイルな見積りと計画づくり』 4章)
  • (同様の例)ベロシティを記録していくと、バーンダウンチャートからマイルストーンが分かる(『Clean Agile』第3章)
    • 例えば、完了日が分かる

見積りとしてのベロシティ(未来についてのベロシティ)

  • ベロシティが分からないとき(『Clean Agile』の例:最初のイテレーション
    • 推測する
    • イテレーションプランニングでストーリーを選択するために使う値(ポイントの合計値の上限として使う)
    • 確約ではない

  • ベロシティの見積もり(『アジャイルな見積りと計画づくり』16章)
  • その前のイテレーションで完了したストーリーのポイントの合計で見積もる(ref:『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』 8.8)
    • 続くセクション参照

「昨日の天気」によるフィードバック

  • イテレーション2以降で有効なプラクティス:昨日の天気
    • 前回のイテレーションのベロシティと同じと見積もる
    • イテレーションプランニングでストーリーを選択するために使う値の見積りで、より正確そうなものになっている
  • 『アート・オブ・アジャイル デベロップメント』8.8には昨日の天気でフィードバックがかかる解説がある
    • 作業負荷が低いと見積り誤り
      • 完了できると考えたストーリーポイント合計に届かない
      • 次のイテレーションのベロシティは小さく見積もられる(補正)
    • 作業負荷が高いと見積り誤り
      • 完了できると考えたストーリーポイント合計を超過
      • 次のイテレーションのベロシティは大きく見積もられる(補正)