nikkie-ftnextの日記

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振り返り:やはり俺のPyCon JP 2020スタッフ活動はまちがっていた。

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はじめに

やっはろー! nikkieです。
今週は宿願のためにお休みにしています1
時間ができると自分の身を見つめ直せるものですね。
昨年のPyCon JPスタッフ活動を振り返ってみました2

※最初に断っておきますが、この記事の内容は、nikkie個人の見解です。PyCon JP 2021についての情報は PyCon JP Blog をご確認ください。

目次

私の熱いPyCon JP 2020スタッフ活動

PyCon JP 2020は8月末にオンライン開催しました 🙌 🎉

2019年のスタッフ経験を活かし、コンテンツチームのリーダーとして全力疾走しました💃

  • タイムテーブルドラフト作成
  • プロポーザル募集
  • プロポーザルレビュー
  • スピーカーとのコミュニケーション
  • キーノートスピーカーとのやり取り引継ぎ
  • タイムテーブルにトークを配置

コンテンツまわりの設計・運営をリードした形です。

※あくまでリードであって、独力でやったという気は毛頭ありません。他のスタッフに相談しながらPyCon JPを作り上げていきました(議論をリードできるよう、たたき台をたくさん作りました)。

間違い1: ワンマンプレー

全力疾走した結果カンファレンスは開催できましたが、コンテンツまわりは私一人に集中し、極度の属人化の中ワンマンプレー(力技)💪🏋️‍で解決したという状況でした。
もし私の身になにかあったら、コンテンツまわりは総崩れしていたんじゃないかと思います🙀

ワンマンプレーのきっかけは「自分でやるのが早い」と思ってしまったことです3
「キーノートスピーカーとのやり取り引継ぎ」とありますが、当初は別の担当者がいました。

キーノートスピーカーとのやり取りは、担当者が用意した文面をスタッフでレビューしてから送付します4
英語の文面になるとレビューで大きく手戻りすることが多く、「レビューしている自分が一から文面を考えているのと変わらなくないか?」と魔😈が差しました。
そこからの英語でのやり取りは私が主導権を奪ってしまい、なし崩し的に、キーノートスピーカーとの全連絡を担当することになりました5

間違い2: 「早さ」が要求され、余裕がなかった

間違い1を深堀ります。
なぜ「自分でやるのが早い」と思ってしまったのか、なぜ「早さ」を優先したのか
それは、手戻りが許容できないほどタスクが山積み🏔だったから、つまりデスマーチ💃💃💃だったからではないかと思います。

  • 大きく手戻りできる余裕がない
  • 大きく手戻ったらリカバリできない

そんな状況だったから、「自分でやるのが早い」と考えて、ワンマンプレーをした。
実際2020年は開催までの半年間、絶えず緊急かつ重要なタスクに追われていたと、振り返って思います。

間違い3: 振り返って思うと、オーバースペックだったかもしれない

間違い2のデスマーチだったという点を掘り下げます。
準備しているときはデスマーチ💃とも感じずに、可能な限りの時間をPyCon JPに捧げていたわけですが、「現地開催と同じ、参加者1000人規模のカンファレンスをオンラインで実現する」ことを私は前提にしていました。

現地開催と同じ1000人の参加者は、実際集まりませんでした6
「参加者1000人規模」というのは私の思い込みに過ぎず、スタッフが動ける範囲に合わせてスコープを調整してよかったわけですね。

なお、「現地開催と同じ」という思い込みの裏には、PyCon JP 2019でのコンテンツの「レベルが低い」問題7があったと思います。
「コンテンツチームリーダーとしてカイゼンせねば」と、力が入っていました💪

間違い4: カンファレンスの"運用"が見えていなかった

別の事象として、私1人がタスクをこなすだけでカンファレンスは回らないという過ちも犯しました。

タスクをこなす中で決めたことは他のスタッフに周知し、私以外でも運用できようにする必要があります。
「他のスタッフも運用できる」という点は考えから抜け落ちていました。
自分のタスクリストに引継ぎ事項の用意📝を入れたら、会期直前はタスクが溢れました😫

会期近くに参加してくださった経験豊富なスタッフの助けもあり、立て直しはできたのですが(本当に感謝です!)、DevOpsで言うOpsが見えていなかったというのは教訓です。

間違い5: 一個人の休日全部使わないと開催できない状況はどうなのか?

いま振り返って思うのがこの点です。
実際作業は進み、PyCon JP 2020は開催できたのですが、カンファレンスの裏に休日を全部捧げた存在がいるという過程🛣は、あまり健全ではないのではないかと思うのです。

「健全ではない😷」というのは、冗長性がないことを懸念しています。
サーバもスケールアウトして負荷分散するのですから、一人が一身に抱えるよりも、最低でもペアで、できるならもっと多くの人で分担して負荷分散するのが望ましいと考えています。

一人がめっちゃ頑張る🏋️‍より大きいタスクをみんなで持つ(みんなでちょっとずつ出し合う👨‍👩‍👧‍👦)のが、コミュニティのあるべき姿だと私は思っています。
全部捧げる一人の一見「ヒーロー」のような存在は、コミュニティにはいらないのではないでしょうか。

今後について少し

2021年は座長を務めます8が、2020と同じ活動量ができる自信は今のところ全くありません。

2019, 2020と打ち込んだPyCon JPスタッフ活動は、私にとって新しい発見が少なく、淡々とこなすべき「作業」のようになりました。
以前転職エントリにも書いたのですが、私は手を動かして得られるものがある作業が好きです。
淡々と感じられるスタッフ作業と自分が夢中になれること、この交差点⚔️を見つけて、今年のスタッフ活動に取り組んでいきたいと思います9

終わりに

ヒッキー、いつもそうじゃん。
できないのにできる範囲でって言って、それで結局なんとかするの。すっごい無理して

PyCon JP 2020が終わった後、『やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。完』を見ていたとき、上のセリフ(9話)が「ニッキー」に空耳しました。

できないのにできる範囲でって言って、それで結局なんとかするの。すっごい無理して
ここにPyCon JP 2020の振り返りが集約されていると思います。
PyCon JP 2020が開催できたという成果を胸に、犯した数々の間違いを改善する方法を探して🔍、引き続きスタッフ活動していきます。

2020年にスタッフ活動でご一緒した皆さま、お疲れさまでした!🙌👏
(2021年もぜひぜひよろしくお願いします!)

最後に、PyCon JP 2020のすべての参加者の皆さま(スピーカー、スポンサー、スタッフ全部含めて)に、個人的にお礼申し上げます。ありがとうございました。

P.S. PyCon JP 2021 仲間募集中!!🙏🙏

チャンネル登録じゃなくて、スタッフ登録、よろしくお願いします!

先日のOSC2021 Online/Springでスタッフ活動について話しました。
自分の言葉で伝えられたと思っているので、よろしければご覧ください。


  1. 過去の記事でもたびたび「やはり間違う」という表現をしており、『俺ガイル』を意識した言い回しにしています

  2. 2020年8月のみんなのPython勉強会で知った『その仕事、全部やめてみよう』の 「俺がやったほうが早い病」の治し方 は参考になりました。 ref: https://nikkie-ftnext.hatenablog.com/entry/stapy-60-half-report:ref

  3. 古いですし、メンテされてないですが、参考までに:キーノート(未着手) — PyCon JP 運営マニュアル 0.1 ドキュメント

  4. 本業の傍ら進める作業ということで「黙っている人は存在しない」となりやすく、私が担当に切り替わっていました。コミュニケーション面でカイゼンの余地はあったかもしれませんが、2020年のタスクの詰め込み具合(間違い2 参照)だと根本解決に時間をかけづらい状況だったと感じています。

  5. connpassの参加者が561名ということを言っています。公式発表の詳しい情報はこちら:PyCon JP Blog: PyCon JP 2020 参加者数について

  6. 当時書き、いくつかコメントもいただいた記事がこちら:雑記 | #pyconjp 2019のトークはレベルが低かったのか? 〜台湾・シンガポールのPyConに参加して〜 - nikkie-ftnextの日記

  7. PyCon JP Blog: PyCon JP 2021 座長決定

  8. 先に述べた「ヒーローはいらないのではないか」といったIssueはワクワクするので、交差点の候補はあります